テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2019年03月号

広告主はいま、メディアをどう考えているのか?〜日本アドバタイザーズ協会・常務理事 小出誠氏に聞く〜

2019年03月04日 14:15 by sakaiosamu
2019年03月04日 14:15 by sakaiosamu

 

年明けにたまたま、小出誠氏にお会いした。一年半前、資生堂ジャパンのコミュニケーション統括部長としてスイッチ・メディア・ラボ社の企画でインタビューし、その後も何度かセミナーにご登壇いただいていた。日本アドバタイザーズ協会(JAA)のデジタルメディア委員長としても活動し、流通企業に対しての「TVとデジタルの共通指標」の開発にも取り組んでおられた。久しぶりにお会いしていただいた名刺はJAAのもので、常務理事とある。資生堂ジャパンから出向し、1月から常勤となったそうだ。

なんとなくピン!と来た。もともと視点が俯瞰的で、資生堂のためだけではなく、業界全体のための使命感を持っていた方だ。広告主にとってこれからメディアはどうあるべきかの追求に、専念したくなったのではないか。JAAのメディアへの取り組みは、MediaBorder的な興味とも重なる部分が大きい。

そこで、じっくりお話を聞こうとインタビューをお願いした。たっぷり1時間うかがった中から、凝縮した記事をお届けしたい。インタビューの前提として、MediaBorderが今年に入って標榜しているパラダイム・シフト、メディアが新しい方向に向かっているように思える、との考えをお伝えした上でお話を聞いた。 

まず常勤の常務理事になった経緯をうかがうと、私が想像した通りだった。デジタルメディアが直面する課題に取り組みたいとのご本人の意志と、小出氏にその課題を掘り下げてほしいJAAの意向とが一致した様子だ。担当する領域もメディア全般に渡ると言う。

「私の職務は、アドベリフィケーションを含めたデジタル広告の様々な問題をより良い方向に導くために、どういう体系や組織、枠組みがあるのかを検討し、整えていくことが基本です。それがメインで常務理事としては電波委員会や、新聞、雑誌の委員会、SP委員会など、メディア関係の委員会を私が担当しています。JAAには他に広告取引委員会や広告論文委員会とか、ダイバーシティ委員会といったメディアとは直接関係ない委員会もあり、それらは鈴木信二・専務理事の担当というように分担してます。」

さて昨年からの続きとしてはやはり、「流通向け共通指標」がその後どうなったかが気になる。まずは、その進捗について訊ねてみた。

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