3月26日に角川アスキー総研主催で開催したセミナー「2020年テレビの行く先」。そのPart1は筆者がモデレーターとなり、メディアのデータについてのセッションだった。
セミナー概要から登壇者のお名前をコピペしておく。
- 小出 誠 氏(資生堂ジャパン株式会社 メディア統括部長)
- 宮本 淳 氏(ニールセン デジタル株式会社 代表取締役社長)
- 長崎亘宏 氏(株式会社 講談社 ライツメディアビジネス局次長 兼 メディアビジネス部長)
小出氏からは日本アドバタイザーズ協会(JAA)で進めているテレビとデジタルの共通指標について、長崎氏からはABC協会で行っている雑誌メディアのブランド指標についてプレゼンテーションしていただいた。それぞれ目標や使い方は違うが、共通して言えるのは、メディアの価値をデジタルも含めて捉えようとしていることだ。
JAAの新指標についてはすでに別の場所でも書いているので参照されたい。
ここでは、ニールセンデジタルの宮本社長が見せてくれたスライドからキモの部分を紹介したい。
ご存知の通り、ニールセン社は本国アメリカでは、日本におけるビデオリサーチ社のように公式な視聴率調査会社だ。同社は数年前から「トータルオーディエンス計測」に取組んできた。テレビ視聴者はアメリカでも録画、配信など様々な経路で番組を見ている。その多様で複雑な視聴の実際を、くまなく数値化する作業を具現化しようとしているのだ。
※ニールセンのトータルオーディエンス計測のフレームワーク
ニールセン社がテレビデバイスのリアルタイム視聴だけでなく、PCとタブレット、スマホでの視聴まで計測していること、それを番組とCMと分けて計測していることがわかる。「ダイナミック」とはテレビ番組とセットではなく、デジタル独自でひもづけたCMとともに番組が配信されているものだ。
計測の結果、例えばこんなことがわかってきた。
※出典:ニールセン(米国) 2015年9月
ドラマについてだが、ライブで見るのは半分弱、録画視聴も多いがその二つを合わせて77%。残り1/4は、デジタルデバイス上で視聴されている。計測できてよかった!というところだろう。計測体制を整えたからわかる数値であり、また多様な視聴方法をメディア側が整えた証でもある。
さらに次のスライドには驚くデータが載っていた。
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