テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2017年01月号

関根禎嘉連載・メディアイベント右往左往《第1回》

2017年01月31日 14:55 by sknsdys
2017年01月31日 14:55 by sknsdys
Media Border読者のみなさん、初めまして。今回より月1日のペースで執筆させていただくことになりました。
主にテレビを中心としたメディア関連のセミナーやカンファレンスイベントを聴講し、その内容をTwitterで実況的にメモするということを4年ほど前からやるようになりました。あくまで個人的なメモではありますが、そうしたtweetをToggeterにまとめていたところ、境さんはじめ業界の方々に参考にしていただけることも多くなってきました(ちなみに最初のまとめはこちら)。
この連載では、筆者が参加したイベントから気になる発言やトピックを取り上げたり、今後注目のイベントをご紹介していこうと思います。
初回の今回は、筆者の関心の範囲をご紹介しつつ、今後の連載の展望をしたいと思います。

Togetterのまとめ一覧からキャプチャ。基本的に自分のtweetのみをまとめるスタイルです。

 
昨年印象的だったのは11月に開催されたINTER BEE CONNECTEDでした。放送通信融合の議論をリードしてきたこの場ですが、昨年は世の中がついに追いついてきたという感を持ちました。聴講したのは全14セッション中5つでしたが、どれも現在の状況ときたるべき未来をつなげるものだったと思います。

ここでの同時配信の議論は、昨年末に活発になった総務省の放送を巡る諸課題等検討会での議論につながっていきます。次なる時代の放送政策を議論する「主戦場」となった感のある通称"諸課題検”。単に諸課題検というと親会を指すことが多いと思いますが、その下に視聴環境分科会、視聴者プライバシー保護ワーキンググループ、地域における情報流通の確保等に関する分科会、ケーブルテレビWGに分かれて個々の課題について検討が進んでます。親会はマスメディアからの注目も高まりその内容の報道に触れることも多くなったものの、その場の雰囲気を感じるにはやはり現場に出向くのがいちばんです。会合はすべて公開で行われているので傍聴可能ですが、親会は傍聴希望多数により抽選になることもあります。できる限りフォローしていきたいところです。

また、同じく総務省の審議会である、情報通信審議会・放送コンテンツの製作・流通の促進等に関する検討委員会も注目です。この審議会には5つの分科会がありますが、この委員会は情報通信政策部会。本委員会は諸課題検での議論の高まりを受けるような形で昨年11月に設置されました。ネット上での放送・映像コンテンツの流通(つまりネット配信)について、日本のインターネットの父と呼ばれる村井純・慶應大教授を主査として検討が進められています。諸課題検が放送の側から通信を見るというスタンスだとすれば、こちらは通信の側から放送を考えるという対になる関係といえるでしょう。次回は2月2日(木)開催です。

3月には文研フォーラム2017が開催されます(3月1~3日、千代田放送会館)。NHK放送文化研究所が毎年開催しているこのオープンフォーラムは、文研という組織の懐の深さを感じるイベントです。まだプログラムのタイトルしか発表されていませんが、注目しているのは最終日の『「これからのテレビ」はどこに向かうのか?~存在意義の再定義に向けて~」』。"テレビ”の現状を整理した上で、今後の"テレビ”の行き先を視聴者目線で捉えるセッションになることが予想されます。参加受付は2月1日(水)スタート。そのタイミングで各プログラムの詳細も発表されると思います。イベントの模様はMedia Border3月号で取り上げる予定です。

ところで、昨年の文研フォーラムに参加したときの記録は以下のとおりです。ご参考になれば幸いです。

このように、映像・放送コンテンツを中心にしたコンテンツの流通が主な関心の対象です。できる限りアンテナを高く持ち、いろいろなところに出向いていこうと思っていますが、読者のみなさんからの情報提供も大歓迎です。メディアの明るい未来に向けて、有益な情報をどんどんシェアしていきましょう!

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