テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2017年01月号

「超ドS」の自虐には、「静岡のため」への情熱がこもっている〜SBS静岡放送のチャレンジ精神・その1〜

2017年01月13日 01:04 by sakaiosamu
2017年01月13日 01:04 by sakaiosamu

「超ドS」をスローガンに掲げる「静岡兄弟」とは何者か

銀座界隈には、ローカルメディアの東京支社が集まっているのを、業界の方ならご存知だろう。新橋駅から銀座に入ってすぐ、コリドー街の入り口に上の写真のようなビルが立っているのを見たことがあるだろうか。

「静岡新聞」と「静岡放送」が並んでいる。建物もちょっと個性的で丹下健三の設計らしい。

ローカル局の中には新聞社を母体として生まれた局が多い。だから珍しくないようで、実際にはこんな看板は他にはないだろう。当初は新聞社が母体でも、いろいろな資本が入ることが多いし、早い段階から別々にやっていたのが普通だ。どちらかというと、仲が悪かったりする。ところが、静岡放送と静岡新聞は兄弟会社として看板を並べてビルを共有しているのだ。かなり珍しい例だと思う。

その「静岡メディア兄弟」が去年、それぞれ周年を迎えたことを訴求する面白いテレビCMを制作した。これが自虐的で面白いったらない!YouTubeに置かれている120秒のロングバージョンをぜひ見てほしい。

笑えるが、考え始めると笑えない。ローカル局と地方新聞の苦境を戯画化すると確かにこんな感じだろう。笑えないといえば笑えないが、こうやって笑い飛ばそう!そんなメッセージを感じる。

それにしても、こんな自虐的なCMを流す意義はなんだろう。そして、新聞と放送が一緒に看板を掲げるのはどういうことだろう。今月初めに静岡を訪れて、聞いてみた。 見えて来たのは、長年地域のために一緒に頑張って来た伝統を、さらにパワーアップする新しい地域メディアの発想だった。(ここから先は登録読者のみ)

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

震災の国のメディアが共有すべき新潟民放2局の経験

2024年04月号

imp保証型でZ世代向けCM!そんなのあり?ということで話を聞いてみた

2024年04月号

ローカル局の価値はマーケティング力で高められる〜北陸朝日放送の挑戦

2024年03月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)