映画『シン・ゴジラ』について、東宝の取締役・映画調整部長である市川南氏にインタビューした。貴重な内容となったので2回に分けて記事にしている。前半を読んでいない方はそちらから読んでください。
前半では新しいゴジラを庵野秀明氏に託したところまでだった。今回はその続きである。
---作る側として、ゴジラという東宝の看板スターを、あんな風にしちゃってどうだったんでしょう。最初に出てくるもこもこ這うやつがキモチ悪くて(笑
あれキモチ悪いですよねえ(笑
---ええほんとうにキモチ悪くて、ゴジラはこいつと戦うのかな?と思ってたら・・・東宝人としてどうだったんですか?あるいは同僚や上司の方々が、ゴジラがああいうことでいいのかとか。抵抗感なかったですか?
私はありましたよ。手だって小さすぎるんで、大きくしてもらって、造形はもちろんすごくチェックしましたね。ただしっぽがこれくらい必要だとか、非常に説得されました。抵抗感はありましたけど、まあそれやんないと変わんないかなあと思って(笑
生物体として庵野さんがおかしいって言うんですよ。あんなでかいのに二本足で立ってるってのも。完全生命体だから自分で進化できる設定にして、進化する過程で直立してるんだってことで説得されちゃいました。社内も、世代も変わってるんでそれに対する異論はほとんどなかったですね、十年作ってないから、過去のゴジラの呪縛が解けた時期だったんでしょう。
---正直ぼくは公開時に期待してなくて、予告編みてもゴジラあんまり出てこないし面白いのかわからなくて。でも土曜日の朝になったらtwitterで一部の人が大騒ぎでつい見にいったんです。肝心なものは何も見せないあの宣伝は議論がなかったでしょうか。
これまでのゴジラ映画の宣伝は段階を経て、公開までに全部見せちゃうものでした。庵野さんは、エヴァンゲリオンでは何も見せなかった、試写もやらなかったと言うんです。それでうまくいったんですよね。
結果としては完成披露試写会だけはやったり、記者会見やって少しだけ見せましたね。最初の予告編は庵野さんが自分でつくったんです。宣伝部がやりたいというので、もう少し見せてるのも作ったんですけどね。(ここから先は登録読者のみ)
読者コメント