テレビとネットの横断業界誌 Media Border

2016年08月号

『シン・ゴジラ』は映像コンテンツ業界に大きな一石を投じてくれた

2016年08月01日 15:12 by sakaiosamu
2016年08月01日 15:12 by sakaiosamu

 

7月29日金曜日に公開となった『シン・ゴジラ』には、正直言って私はほとんど興味を持っていなかった。何しろ『エヴァンゲリオン』の庵野秀明が監督するのだから、かなりイビツなゴジラ映画となっているにちがいない。子どもの頃から慣れ親しんだゴジラをいじられるのはイヤな気もするが、そもそもゴジラはずいぶん前から何度も再起動に失敗し、ハリウッドに売られてトカゲ扱いされている。2014年の『GODZILLA』にはゴジラへのリスペクトも感じたものの、もはや”終わった”ものだった。だから庵野氏が煮て食おうが焼いて食おうが好きにしてくれ、という何も期待しない気持ちでいた。

ところが、30日土曜日の朝twitterなどで『シン・ゴジラ』について感想が飛び交っている。どうもただならぬ気配を感じた。そう思うといてもたってもいられなくなり、即映画館に向かった。どうでもいいやという逆の期待は大きく裏切られ、私は上映中、終始驚嘆していた。こんなゴジラもありなのか!こんなゴジラならもっと見たい!私の中でゴジラが再起動した瞬間だった。54年の第一作を超えるまさに『シン・ゴジラ』がようやく誕生した!心のどこかでやっぱり保ち続けてきたゴジラへの愛が、私の胸の中で再び大きく翼を広げていったのだ。

その気持ちをさっそく私はYahoo!個人に書いた。

→日本のスクラップ&ビルド、東宝映画のスクラップ&ビルド『シン・ゴジラ』

私同様、ゴジラ愛に再び目覚めた人びとが多かったのか、思わず反響があり、一晩で700を超えるシェアがついた。

この原稿では、そのYahoo!に書いたことをさらに掘り下げてみようと思う。『シン・ゴジラ』の中身の話ではなく、そもそも映画界はいまどういう状態で、その中で『シン・ゴジラ』が持つ意味の大きさを語ってみたい。(ここから先は登録読者のみ)

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